合気道の秘伝を学ぶ  - 井口合気流護身術(IAM護身術) 二段のブログ -

合気道を活用した護身術の技術と考え方の紹介

骨の技術は心地よい

1. 稽古とは
「なんでやってるの?」「一体何を目指してるの?」プロでもないのに何かに熱中して打ち込んでいる人は分野を問わず、こういう事を言われることが多々あろうかと思います。その問いの答えはシンプルで、「楽しいから」「気持ちいいから」ではないでしょうか?

 

IAM護身術(井口合気流護身術)の鍛錬方法は日常生活の動きでも可能なので、空き時間があればやってしまいますが、これも「より高みへ!」という意識ではなく、「やってると気持ちいいからつい」やっています。

 

なお、基本的に辛いとか苦しいとか思う稽古は不要だと思います。

 

かの有名なドラゴンボールの主人公である悟空は、自分より強い敵(セル)と戦う前に行った修行の際、「ムリに鍛えても辛いだけ、そんなのは修行じゃない」と言い放ちました。


ステマでも「よいトレーニングとはやった後で活力が出てくるトレーニングだ」と伺いました。私もその通りだと思います。

 

さて、今回は私が骨の技術(人体構造の最適な使い方、物理学を利用した技術)を習得するまでに行った鍛錬方法に関して紹介いたします。骨の技術は正しくできると身体の中に力が流れる感覚があり、非常に心地良いものです。故に無心でやっていた記憶があります。

 

稽古内容としては、腕押し、体の転換、甩手(スワイショウ)、簡易版天の鳥船の行、等がありますが、特に時間を割いていたのは、当身(あてみ)、杖(じょう)、立禅(りつぜん)の三つでした。なお当身とは打撃と思っていただければ概ね大丈夫です。

 


2.当身
IAM護身術の道場は、おそらく他の武道の道場よりゆる~い雰囲気だと思います。稽古が雑談で中断されてそのまま盛り上がってしまう事もザラにあります。そんな時はサンドバックに当身を加えたり、杖を振りながら聞いたり参加したりしていました。

 

サンドバックへの当身と聞くと、ハードトレーニングのようですが、これが心地良いのです。基本の当身には、陽の一式~四式、陰の一式~四式までありますが、いずれも重心移動のエネルギーを伝えるものです。

 

エネルギーが上手く伝達されると身体に負荷はなく、むしろ心地よい感覚があります。そしてサンドバックは豪快に揺れます。この爽快感を楽しんでいました。(当身の方法は、リンク先の記事を参照ください。

陽の技術

陰の技術

 

サンドバックを気軽に叩ける環境におられる方は少ないと思います。私も道場以外では叩けなかったので、家ではひたすら杖を振っていました。

 


3.杖のすすめ
杖を振るだけで非常に多くの事が学べます。様々な振り方がありますが、ここでは骨の技術に関連が強い振り方を紹介します。いずれの振り方でも「身体の中に流れるエネルギー」を感じる事が重要です。人によっては”気”と呼ぶこともあると思いますが、この気が流れる感覚が非常に気持ち良いのです。

 

「一般人に気なんぞわかるか!」と叱られそうなのですが、やってみると案外簡単に感じられるものです。単に力学的な力を体が感知しているだけなのか、気というものが存在しているのかという議論は横に置いておいて、ただ心地良くエネルギーの流れを感じる事が大事です。


杖の振り方
①体の前で無限大(∞)の字を描くように振る
 腕で振ってはいけません。へその下あたりの重心(下丹田)を動かしてその動きを杖に伝えて振ります(作図は難しかったので諦めました…。)

 

②地面につけた杖を中心にして陰の当身
 (1)腰を後に動かすと同時に杖を体から離れる方向に押し出す(Fig.1)
 (2)体を右へ動かすと同時に杖を左へ倒す
 (3)体を左へ動かすと同時に杖を右へ倒す
 (4)体を前へ動かすと同時に杖を体に引き寄せる
体が移動するエネルギーを杖に伝える感覚であり、腕力は使いません。

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③陽の一式
 体を前方に運びそのエネルギーを杖に伝えて押し出す。決して腕で突かない。

 

そしてエネルギーの流れに対する感受性を磨くのに最適なのが、立禅です。

 

4. 立禅
その名の通り、立って禅をします。ひたすら立つだけですが、いくつか意識すべき点があります。しかし棒人間では説明が難しくなってきたので、先人たちの力を借りる事にします。Google先生に聞いてみましょう!

 

というより骨の技術の段階では一般的に言われている立禅で充分と思われます。太極拳でいわれている下記項目に意識して5~10分くらいやるだけで、段々身体感覚が鋭敏になっていくはずです。まずは骨盤を立てて背骨を真っすぐにする尾閭中正(びろちゅうせい)に注力するのがおススメ。

 

なお、私が入門した時は門下生が少なく、初段審査を控えた方の稽古が主だったので、立禅時に目の使い方(空間感覚の技術)も教わりました。これはさらなる上位技術の稽古にもつながっており、公開が憚られるので割愛します。(体験に訪れた際、全員がこの目付をしていたので、「とんでもない所にきてしまった!」と思ったのもよい思い出。)

 

立禅で気を付ける事
虚領頂勁(きょれいちょうけい)頭は天上から紐で吊るされてるよう真っ直ぐに。
沈肩墜肘(ちんけんついちゅう)肩は強張らせず下に落とす
含胸抜背(がんきょうばっぱい)胸の前で球を抱えるイメージで胸をすぼめ、肩甲骨を開く。
松腰松胯(しょうようしょうこう)膝とつま先を同じ方向へ向け、股関節は柔らかく。
尾閭中正(びろちゅうせい)尾骨を内側に巻き込み骨盤を立たせて背骨を真っ直ぐに
立身中正(りっしんちゅうせい)天から地へ柱が身体を貫くように立つ