合気道の秘伝を学ぶ  - 井口合気流護身術(IAM護身術) 二段のブログ -

合気道を活用した護身術の技術と考え方の紹介

Simple is Best  -当身、骨の技術-

当身七分に技三分

投げ技で相手をコロコロと転がすイメージが強い合気道ですが、「当身七分に技三分」と言われており、当身(打撃)が重要視されています。様々な解釈がありますが、当身の理は技(投げ)にも使える為、当身を磨けば投げの質も向上する事も理由の一つではないかと考えます。

 

そんなわけで、まずは当身に使用する基礎技術である、「骨の技術」と、そこからの派生技術である「陽の技術」について紹介いたします。

 

 

骨の技術:人体が最も力が発揮できる型を利用する。

最近では、二足歩行ロボットは珍しいものではなくなってしまいましたが、初めて報道された時は大ニュースでした。なぜなら二足歩行する為には、膨大な情報を瞬時に処理し、最適な姿勢に制御する必要がある繊細な動作だからです。

 

その繊細さ故に、ほんのすこし制御を狂わせるだけで人は倒れます。

 

簡単な例を挙げると、肩甲骨を後ろ引いて絞めた状態で後ろから肩を引くと少しの力で人は倒れます。このように人体構造を利用する技術を総称して、「骨の技術」と呼びます。

(全くの余談ですが、先行者というロボットには別の意味で驚愕させられた思い出があります。)

 

 

陽の技術:作り出した運動エネルギーの方向へ力を伝える

私はボクシングとキックボクシングを経験しましたが、ストレートが意外と難しいなと感じました。ジークンドーでは、ストレートリードだけで一冊本が出ている程です。

なぜ難しいかと言いますと、強力なパンチを放つには、運動エネルギーを足先から腕まで、順序良く効率よく伝達する必要があり、少し腰の回転等のタイミングがずれただけで、100%の力が伝えられなくなる為です。従って強力なパンチを放つには、優れた運動神経と、反復練習が必要となります(1.a)

 

対して、合気道の当身はどうやって放つのでしょう?

もっとも重さが集まる重心を動かして作られた運動エネルギーを伝えるだけです。一例を図1.bに記します。シンプルな動作なので、エネルギーロスの機会も最小かつ、老若男女問わず習得可能です。

陽の技術では、作りだした運動エネルギーと同じ方向に力を伝えます。IAM護身術ではエネルギーを作り出す方法に応じて下記のように名前を付けています。

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当身の種類

・前方移動 ⇒ 一式

・回転運動 ⇒ 二式

・落下運動 ⇒ 三式

・頭部の重量を利用した運動 ⇒ 四式

  

「エネルギーロスが少なく、単純なのは分かったが、隙が多くないか?護身に使えるのか?」と思った方も多いと思いますが、実はこの当身、容易に軌道修正が可能なのです。これは実際に体を動かして体感いただくと納得いただけると思います。一方、通常のストレートは複雑な動作なので、エネルギーをロスすることなく、直前で軌道を変えて当てるとなると極めて高度な技術を要しますし、体への負荷も大きいことがわかると思います。

 

また、実際に使われるとなぜか隙を感じません。(上記動作を意識すると、無意識に上位の技術を使ってしまうためと考えられますが、いまだ文章では伝え難いところなので、説明方法は今後の課題…。)

 

なお、運動エネルギーは自分が思っているよりゆっくり伝わります。打ち出すことより、運動エネルギーが腰から背骨を伝って登ってくる感覚を意識してみてください。

サンドバックが面白いように揺れるので、初心者の頃はひたすら当身の稽古をしていました。さらにボクシングの練習と違って、疲労感がないのも新鮮でした。おそらくはエネルギーロスが少ない為でしょう。(逆に言えば、正しいストレートパンチは打てていなかったという事でもあります…。)

 

何事もシンプルなものがよいという事ですね。