合気道の秘伝を学ぶ  - 井口合気流護身術(IAM護身術) 二段のブログ -

合気道を活用した護身術の技術と考え方の紹介

脳が将 体は卒

前夜しこたま食って飲んだ後、ひたすら睡眠。これは運動せなアカンと思い、準備運動かわりに立禅と腕振りの基礎稽古を実施したところ、立禅時の感覚が非常に研ぎ澄まされていた。日ごろ睡眠が足りておらず、いかに神経が錆びついているのか実感した。

深夜まで勉強や仕事したり、疲れた体に鞭打って稽古や運動するより、毎日適切な睡眠時間を確保する方が、物事は上手くいくし上達もするのではなかろうか?と思うのであった。

 

本日は下記の稽古を実施
立禅(木火土金水)
今日やった木と火に関しては禅行ではなく、立禅の形を使った稽古か。
木:五分間手の先の張りを全力で維持。肩や脚は脱力。
火:気を感じる稽古(詳細非開示)。各段階で三周ずつ
土金水:各3分ずつくらい禅。久々にトランスに入る事ができた。

やはり睡眠によって脳を休める事が肝要!

 

一文字の型(某武術の基礎の型)
各種腕振り、杖振りをやった後、カロリー消費系の運動をするべく、一文字の型を実施。以前は気が付かなかったが、突きは当会でいう所の陽の技術だけでなく、三軸の入れ替え(前の軸と中心の軸の入れ替えは陰となり、後の軸が前に出る動きは陽となる、陰陽一体の動き)がきっちり稽古できる事に気が付く。またそうしなければ威力も出ないことにも。

合気杖でも前述の稽古はできるが、一文字は足腰をかなり使うためよい運動になる。
また下腹で背骨をしっかり支えてあげると綺麗にできる。ちなみにこれはヨガのポーズをとるときに聞いた知識。

 

手刀も行ったが、これも腕を振っては威力が出ない。腕をただ落とすことが肝要。とはいえこの説明だけで上手くできるわけもない。本来の型とは違うと思われるが、背骨と中丹田が垂直に落ちる動きにつられて腕を落とすと空を切る音が変わり上手くできている様に思われる。要は陽の二式である。中丹田で斬る事を意識すると更に心地良く行えた。

型の制約上微妙な上下運動しかできないので陽の二式を正しく使うのが難しく繊細。(*:本来の一文字だと頭が上下せず一定高さを維持するようなので、上記のやり方ではなさそう。もしくは極々わずかな上下運動で行っているか。当該流派の者ではないので素人の勝手な解釈と思っていただきたい)f:id:dice-k-13110:20171211011153j:plain

なお、一文字は良い稽古になるが、足腰の強さと柔軟性が両方ないとできないので、おっさんには辛い。やりすぎると腰を痛めるかも…

 

最後に

最近基礎の復習に加えて、型のある技(一教など)もシャドー合気などしているので、そのあたりも現段階でやっている事、気が付いたことを一つずつまとめていこうと思う。学習はインプットに加え、考えをまとめてアウトプットすると効率が良いのである。そして睡眠。。。。

 

補足

ですます体はメール以外は仕事で使わないので、ブログを書くのが少し億劫になり気味でした。という訳で今回から使い慣れている文体で書いていきます。です。

もう何度目か忘れたDon't think. Feel.

自分の動きや目や皮膚から得られる情報が多過ぎて何を記すべきかがわからなくなっていました。

立禅ではmm単位の歪みが気になったり、技の動きでは空間軸、自分軸、皮膚感覚のどれを意識すべきか迷ったり…

1つの技について考え出すと無限に意識する項目があることに気が付き、一体何を記録すべきなのか全くわかりませんでした。

そこで、「分からないのは基礎ができていないからだ。そして身体が真っ直ぐではなく歪んでいるからだ!」と考えて、ここ二週間程は基礎の感覚を鋭敏にする稽古を心を無にしてやってみました。

すると面白い事に、ああしよう、こうしようと考えて技を求めるよりも、感じる事、センサーを鋭敏にする事に集中した方がうまく動けるのです。

とある人工知能は振り子を観察しただけで物理学や幾何学の知識を使わずに自然法則を導き出したそうです。

我々の周囲の空間には多くの情報が満ちており、それに気がつくだけでも素晴らしい結果が得られるのかもしれません。

そして気がつく為の方法は、ただありのままに全てを感じる事です。膨大な情報量なので言語化したり認知したりする事は極めて困難であろうと思われます。ただ感じるのみです。Don't think. Feel. ひたすらセンサーを働かせます。

しかも意識してセンサーを働かせるのではなく、無の境地であるがままを感じる。これが今必要な事でした。


一点注意すべき事は、正しい動き方を学び、感覚を高める稽古を積み、知の集積を行った上での話だという事です。ただ感じるだけで達人になれるのは一握りの天才だけです。奢る平家は久からず。

しかしながら、天才達は多くの知識やヒントを我々に残してくれています。巨人の肩に乗れば一人で一から積み上げることなく高く遠くにある果実に手が届きます。


過去の天才達に学び稽古を積み、その上で感じる事に集中し、最後は無になる。これができればようやく有段者らしく動けるのではなかろうかと思います。

完全脱力

1. 脱力

先週末の稽古にて、皮取りの練習の際、何度も相手の表面でぶつかる感覚があり、少々困惑しておりました。そこで、門下生の一人と、色々と試行錯誤を繰り返していたのですが、皮取りの稽古は受けに回ると体力を消耗します。疲れたので、ちょい休憩という事で道場の隅でごろっと横になり、ヨガの屍のポーズ(シャバアーサナ)』をしていました。

 

すると、相手をしてくれていた門下生が、面白い事を教えてくれました。それは夜眠れない時に安眠する為の方法で、横になりつつ、「左腕が段々重くなって床に沈み込む、右腕が段々重くなる…」と体の各部に順次、自己暗示/催眠をかけるものでした。

 

試してみると、大変心地よく、ふと、「この沈み込む感覚を技に使えね?」という話になりました。脱力して相手の中に沈み込むイメージで皮取りを行ってみたところ、ぶつかる感覚が消え、さらには抵抗する意が出てこない皮取りができました。

 

(腕を脱力させつつ皮を取る動きを意識すると、意図せずして丹田で繋がる動きになっていたようにも思えます。)

 

相手をしてくれた門下生は三級なのですが、彼の皮取りもかなり質の高い皮取りになり驚きました。彼自身も、「眠れない時にやっていたことが合気道に使えるとは」と感銘を受けていました。

これも「全ての点は線となり意味を成す」という事なのでしょう。人は、色々と遠回りしたり無駄な時間を過ごしたりする事もありますが、永い目でみるとどこかで活きてくるのだと思います。

 

 

 

2. 繋がる

脱力して相手の中に沈み込むイメージの続きで、繋がる感覚の話をしたいと思います。

これは骨の技術(物理学、人体構造の利用)に関連し、先述の皮取りとは少々異なる技術分野になりますが、”一体感”は重要な感覚と考え方であり、すべての技術において使用されます。

 

繋がる感覚は、自分が感じられた瞬間、相手の方は「これはかなわない!」と感じ、訳の分からないうちに体を動かされたりします。二人掛にて、左右の腕を二人の受けに両手で掴ませても、繋がる感覚を作った後、腕を気のライン(人体構造上最も効率よく力を伝えられるライン)に入れてしまえば技をかける事ができます。

 

さて、その繋がる感覚ですが、稽古をしていても、最初のうちはなかなか実感を得られないと思います。そこで簡単な一人稽古として、杖で壁と繋がるという稽古を紹介します。

 

繋がる感覚の稽古

 

 

①杖を壁に接触させて軽く押す。この時、腕は縮めずに下腹(丹田)で押す。

  背骨を真っすぐ立てておく事。

②壁の抵抗が丹田に流れる位置=丹田から杖を通して壁に力が伝わる位置を探り、

 その位置を数秒キープ

③何度か繰り返して感覚を覚えたら、杖の持つ位置か立つ位置を変えて同じことを行う。

 (同じ位置で繰り返すと、感覚を研ぎ荒ませることなく機械的にやってしまうため。)

 

杖がない場合は、手の平でも構いません。ただ杖を使うとより感覚が磨かるような気がします。

 

 

 

3. 交わり

脱力の項目で述べましたが、一見関係のない分野の考え方や技術が、自分が取り組んでいる事に活かせることが多々あります。そして、その取り入れる考えかや技術の巧拙は関係ありません。

 

往々にして、人は自分より下と見ている人や、異なる考え方の人の意見を参考にしなかったり、反発したりすることがありますが、常に謙虚な気持ちで、肩の力を抜いて脱力して生きたいものです。結局はその方が自分の向上に繋がると思います。

皮膚感覚の技術 & 勝ちてしかる後に戦いを求む

 1. 皮膚感覚の技術

骨の技術(物理学を活用し最も力が入る形、相手は力が入らない形を取らせる技など)と皮膚の技術(生理学を利用し相手に力を入らせなくする技法)の次は、皮膚感覚の技術と呼ばれる技術を習得するための稽古をします。(と言いつつ、道場では全ての技術を並行して稽古したりしているので上下の垣根があまりありません。)

 

さて、この皮膚感覚の技術は、うまく決まると相手は力を全く感じることなくフワッと倒れたり崩れたりします。合気道で一見八百長に見える動きには、この技術が使われている事があります。

 

 

2. 繊細な技術

皮膚感覚の技術は、身に着けるまで苦労しました。骨の技術や皮膚の技術が上手くできた時は「この感覚か!」という実感がありましたが、皮膚感覚の技術はできているのかいないのか、その実感を得る事にすら時間を要しました。

 

なぜかというと、皮膚の技術では、しっかりと接触している感覚が肝となりますが、皮膚感覚の技術は非常に繊細なタッチが肝となります。「当たらない、だけど、触れている」という絶妙な感覚が要求されるのです。

 

しかもその繊細さを、手先や腕の動きで求めてはいけません。

 

手先や腕の動きで行おうとすると、相手に感知されるので、先に述べた「相手は力を全く感じることなくフワッと倒れたり崩れたり」 という状態にならないのです。

 

ではどうすればよいか?骨の技術と皮膚の技術を組み合わせる必要があります。

過去の記事、接触点を中心にして舞うの、小手返しは小手先で行わないがまさにこの動きです。まずは骨の技術で学んだ最も力が入る骨格構造を維持することが肝要です。そして相手には力が入らない状態を強いる…。かなり難易度が高い技です。

 

 

3. やはりDont think feel

皮膚感覚の技術は一人稽古(後日紹介する、タンジンレンケイと触れない杖回し)で感覚は養えたのですが、人相手に使おうとするとどうしてもうまくいきませんでした。

 

稽古してみるとわかるのですが、皮膚感覚を感じるには高い集中力を要します。しかし、技をかける対象は自由に動き回るし、場合によっては抵抗してくるのです。

それ故に皮膚感覚の技術を使う事だけに集中できず苦労しました。

 

これを解決する手段は、逆説的なのですが、皮膚感覚だけに集中するのです。相手を捉えた後は皮膚感覚だけに集中します。捉えておけば後で何をされようが頭を使わず感覚で対処できます。Dont think feelですね。

 

相手の腕に皮膚感覚をかけておけば、たとえ蹴りを繰り出されても容易に崩すことができます。皮膚感覚とはその名の通り、感覚の技術。感覚で捉える事が重要です。

 

 

4. 勝速日(かつはやひ)

相手を捉えるという事で、皮膚感覚の技術から少し話がそれますが、合気道の概念、技術の一つである、勝速日(かつはやひ)を紹介いたします。これは、相手の全てを間合いに入ってくる前に捉えておく技術です。

 

 

“勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝ちを求む”

(勝つ者は勝利した状態を得た後に戦いを始め、敗ける者はとりあえず戦いを始めてから勝利を求める)と孫子も言っているように、先に勝利しておけば、戦いが始まった直後に勝利できます。相手が攻撃してきた後に反応して、何かしようとするのは愚の骨頂です。

 

勝速日は上位技術(空間感覚、心法)に含まれますが、4級、3級の正面打ちや正面突きの稽古の際もしっかり行うようにします。昇級、昇段してから改めて意識するというやり方では、妙な癖や先入観がついてしまうからです。癖や先入観はなかなか修正が難しいですからね。

 

 

おまけ:皮膚感覚の技術ができているか否か確認方法

相手の手の平に指先をつけた後、相手に手をランダムに動かしてもらいます。多くの人はついていけないと思いますが、皮膚感覚の技術を使えば、ついていくことができます。自分が目を閉じ、相手がその場から動きながら手を動かしたとしてもピッタリとついていくことができます。

IAM護身術世界進出?

1. 来訪者

一月前の話になりますが、シンガポールから橋本先生の個人稽古を受ける為、来日してくださった方がおられたようです。先生のHPFacebookによると、、「それに比べると技術の質も、理論の質も次元が違う。個人指導の授業料が安すぎる」大変満足し、「それに比べると技術の質も、理論の質も次元が違う。個人指導の授業料が安すぎる」技術の質も、理論の質も次元が違う。個人指導の授業料が安すぎるて下さったようで、「技術の質も、理論の質も次元が違う。個人指導の授業料が安すぎる」とまで言ってくれたとか。

 

そして先日火曜日の夜の稽古にもある武道の黒帯の方が体験に来られていたのですが、IAM護身術の技術に感銘を受けて頂きました。

 

私もIAM護身術(井口合気流護身術)の神髄を伝えられるレベルまで技を身につけていきたいものです。この理論と技術が継承されていくことを強く望みます。

 

 

 

2. こだわらない

さて、予告では皮膚感覚の技術の話をする予定でしたが、昨夜の稽古は中身が凄まじく濃く、気の疎密を感じて疎な位置に入る動き、繋がる感覚の応用(3つの丹田全てで繋がる)、気の上位概念などを試すことができ、自分自身非常に驚きました。そして、なぜ短期間で上達できたのかを記録しておきたいので、簡潔にそれらを紹介します。

 

合気道で大事なことは「こだわらない事」です。完全なる無視、透明な自分になる事と言ってもいいでしょう。前回予告は忘れましょう。

 

 

3. 稽古以外の上達方法

急に技の質が向上できた理由は主に3つあります。

一つ目は先生にお借りした、近藤孝洋著「極意の解明」。この本に書かれた内容を意識して日常生活で何気ない稽古をしていたら技の質が向上していました。

 

具体的には、相手が蹴ってくる瞬間の気の疎密が以前より明確に感じる事ができ完全に虚を突けたり、相手と繋がる感覚を得た後、背骨と脊柱起立筋肉を微調整することによって感覚をさらに強化できたり、ある概念を使用して感知できない当身を繰り出したりすることができました。

 

相手は門下生かつ、場が慣れ親しんだ道場なので、余裕をもって試せたというのも一因でしょう。これを自然体でこなせるようになりたいものです。

 

なんにせよ、読むべき時に出会った良書というのは自らを高めてくれるものです。

然るべき時に然るべき書に巡り合えるかどうかは運ですけどね。

 

 

 

二つ目はヨガです。

最近、オーバーワーク気味の生活を送っています。そのデスクワークで凝り固まった肩、腰をほぐすべく、ヨガを朝晩やっていました。ヨガは普通にやるだけでも、ストレッチや体幹トレーニングの効果が得られますが、私は気を流す稽古を同時にしていました。

 

どういう事かといいますと、ポーズを維持している間、中丹田、下丹田から気を流しつづけていたのです。やってみるとヨガの各ポーズは本当に気を流しやすい姿勢になっていることが分かります。これが技の質向上に繋がったと確信しています。

 

一例として、ダウンドックのポーズでは下記のポイントを意識して行っていました。

中丹田から腕へ流れる気で体を支えるイメージ。腕の筋肉は意識しない。

②下丹田から脚へ気を流す。

③手のひらを前方、足の裏を後方へ滑らし、大地を引き裂く方向へ皮を取る

 (腕や脚の筋肉に力は込めないが、手の平と足の裏で強烈に皮取りを行う。)

 

その他あらゆるポーズで合気の稽古が可能なので、合気道をやっている方は是非お試しあれ。機会があれば少しずつ紹介していきたいと思います。

 

 

 

三つめはハードワークに対する考え方の変換です。

最近、ストレスフルで忙しい日々を送っています。部署によって様々な価値観があり、それらが入り混じり、ぶつかり、妥協し…と、どこにでもある会社生活ですが、最近は特にイライラすることが多々ありました。

 

これらを全て真正面から受けとると疲れ果てるので、合気の精神で受け流したり、ぶつからなかったり、物事は常に二面性を持つもの、長所と短所は表裏一体、と考えて社会人生活を送っていました。

 

最近はこれを発展させ、もう一人の自分が違う場所から自分を見ているイメージで働いたりしていました。実はこれ、「極意の解明」に書かれている、自分自身に加えて、違う角度にいるもう一人の自分と二人で敵を観る事により、敵の弱いところ、疎なところが分かるようになるという妙法でした。仕事中に武道の稽古をしていたのです。

 

なお、物多面的に捉えて考え出すと、自分らしさがなくなって腑抜けたり、面白みのない人間になったりするのでは?と思われがちですが、古来より悟りの境地とは自我を捨てる事、そしてユーモアは意外なものの見方から産まれます。心配無用です。

 

(昔良く聴いていたMr. ChildrenInnocent Worldに”様々な角度から物事を見ていたら自分を見失ってた”なんてフレーズがありましたが、見失なわず超越しましょう!)

 

 

 

4. 最後に -気-

やたら”気”という単語がでてきてオカルトっぽくなりましたが、”気”はボクシング等の格闘技や他の武道でも知らず知らずに使っている方が多数おられると思われます。

 

ここでは、目に写した筋肉や骨格の極微妙な動きを感知した結果、感じる何かだと思っていただければと思います。人によっては目に写した動きを触覚で感じる(いわゆる共感覚)方もおられるかと思います。

 

存在有無の議論は端に置いておいて、一つだけ確実に言える事は、気の存在を意識して動く事で動きに極僅かな変化がもたらされるという事です。そして、その僅かな変化が技の質を変えます。

 

本当は文章では伝えきれずもどかしいところがありますね。

いつか直接IAM護身術の技術をお伝えできればと思います。

 

ぶつからず、されど徹底的に

前回に続いて皮膚の技術の説明です。今回は皮取りの稽古方法を紹介します。


1. 皮膚の技術

皮膚の技術の基礎である、皮取りは、相手に力が正常に出せなくする技術です。この技を使う際は、相手の〇〇を剥がす様に皮をとりますが、この技術を使う際も例にもれず、「相手とぶつからない」事が肝です。

 

相手が逆らってくると、つい、その力とぶつかる方向に力を加えたくなるのですが、無視します。皮を取ったらその方向に皮を取り続けます。皮取りを使った技で重要なことは、一度捉えたら捉え続ける事です。慣れないうちは、皮を取った後、技を出す際に皮取りが抜けてしまう事があります。

 

皮取りが抜けてしまわないよう身体に皮取りを染み込ませる稽古、さらには皮取りをいつでも出せるようにするための稽古が、下記になります。
黄色い丸が皮取りを仕掛けている場所です。

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なお皮取りは様々な方向で可能、かつ動き方も下記パターンに限りませんが
どんな動きをするにせよ、最も大事なことは、一度皮を取ったら別の場所で皮を取るまで決して緩めず取り続ける事です。


皮取りの詳細は非公開とし、次回は、皮膚感覚の技術に関して書かせていただきます。

こだわりを捨てよ

1. 皮膚の技術

今回から皮膚の技術に関して触れていきます。

皮膚の技術基礎はやり方さえ聞けば、誰でもある水準のレベルで出来てしまう技なのですが、咄嗟の時(昇給審査では正面打ち)、にそうそうできるものではありません。

 

そこで稽古に取り組むわけですが、稽古内容のパッと見は骨の技術の時と変わりません。腕をとって押し合ったり、体の転換をしたります。変わっているのは意識する内容と本当に微妙な動きです。

 

一見全く同じことをしているようで、微妙に高度な稽古。この流れは初段、二段になっても続きます。また、あえて下位技術の動きをすることもあるのですが、上位技術を学んだあとに行うと新たな発見があります。

 

一方向から見ると同じところをぐるぐる回り続け成長していないように見えても、三次元的にみると少し上昇している(下図)。そしてある日突然グイッ一段上の段階に成長します。これは仕事や学問でも言える事ですね。

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Fig.1 螺旋の成長

この急激な成長を感じる爽快感、充実感も稽古のモチベーションなのかもしれません。

 


2. 皮取り
さて皮膚の技術に戻ります。皮膚の技術の一つである「皮取り」と言われる技を使用された相手は正常な力が出せなくなります。正確には、出すべき力の方向が見つからず混乱するといった方が良いかもしれません。

 

それ故に一種の金縛り状態を作ることもできます。倒された状態で皮取りされると、力を入れる方向が見当たらなくなって立ち上がれなくなるのですが、傍から見ると八百長にしか見えません。「なんで早く立ち上がらない?」と。

 

具体的なやり方の公開は控えて、濁して書かせて頂きますが、相手の腕を皮取りを使って取るときは、力がぶつからないよう、気の流れを斬るように相手の腕をとります。自然にできるよう、よく一人稽古をしていたので概要を紹介いたします。(詳細は後日簡単な図も付けて紹介します。)

 

皮取りの稽古
①自分の片腕の皮を逆側の手でつかむと同時に取る
②手の平を壁に付けて、壁の皮を取る=自分の手の平の皮を取られるように動く。
 皮を取っている圧力を維持したまま体を移動させ、維持が難しい姿勢になってきたら     別の場所で皮を取る(脚でも肩でもどこでも皮取りは可能!)

 

 

3.成長のために

皮膚の技術はさほど習得に苦労はしませんでしたが、次の段階である皮膚感覚の技術習得にはかなり時間を要しました。

 

これは皮膚の技術と皮膚感覚の技術は方向性が異なる技術であり、皮膚感覚の技術を習得する稽古では皮取りの動きを捨てる必要があった事、しかし皮取りの動きが神経回路に組み込まれていた事、皮取りの威力が強力であるが故に深層心理下で皮取りに固執していた事が理由と考えられます。

 

一段階上に進むためにはこだわりを捨てる必要があります。

 


「やりやすいからこの方法を続ける」というやり方では頭打ちになります。昨今のAI技術の成長は目覚ましく、30年後には今ある仕事の40%は人間がやらなくて済むといわれています。このように、「今のやり方」というものはいつか通用しなくなる時がやってきます。


自らの五感を使って体感、実感し、「本物である」と感じたならば、古い身体を脱ぎ捨てる必要があるのです。

円を描き続けて留まるか、上昇するための螺旋を描くか。最も大事なことは、こだわりを捨てる事と私は思います。