合気道の秘伝を学ぶ  - 井口合気流護身術(IAM護身術) 二段のブログ -

合気道を活用した護身術の技術と考え方の紹介

完全脱力

1. 脱力

先週末の稽古にて、皮取りの練習の際、何度も相手の表面でぶつかる感覚があり、少々困惑しておりました。そこで、門下生の一人と、色々と試行錯誤を繰り返していたのですが、皮取りの稽古は受けに回ると体力を消耗します。疲れたので、ちょい休憩という事で道場の隅でごろっと横になり、ヨガの屍のポーズ(シャバアーサナ)』をしていました。

 

すると、相手をしてくれていた門下生が、面白い事を教えてくれました。それは夜眠れない時に安眠する為の方法で、横になりつつ、「左腕が段々重くなって床に沈み込む、右腕が段々重くなる…」と体の各部に順次、自己暗示/催眠をかけるものでした。

 

試してみると、大変心地よく、ふと、「この沈み込む感覚を技に使えね?」という話になりました。脱力して相手の中に沈み込むイメージで皮取りを行ってみたところ、ぶつかる感覚が消え、さらには抵抗する意が出てこない皮取りができました。

 

(腕を脱力させつつ皮を取る動きを意識すると、意図せずして丹田で繋がる動きになっていたようにも思えます。)

 

相手をしてくれた門下生は三級なのですが、彼の皮取りもかなり質の高い皮取りになり驚きました。彼自身も、「眠れない時にやっていたことが合気道に使えるとは」と感銘を受けていました。

これも「全ての点は線となり意味を成す」という事なのでしょう。人は、色々と遠回りしたり無駄な時間を過ごしたりする事もありますが、永い目でみるとどこかで活きてくるのだと思います。

 

 

 

2. 繋がる

脱力して相手の中に沈み込むイメージの続きで、繋がる感覚の話をしたいと思います。

これは骨の技術(物理学、人体構造の利用)に関連し、先述の皮取りとは少々異なる技術分野になりますが、”一体感”は重要な感覚と考え方であり、すべての技術において使用されます。

 

繋がる感覚は、自分が感じられた瞬間、相手の方は「これはかなわない!」と感じ、訳の分からないうちに体を動かされたりします。二人掛にて、左右の腕を二人の受けに両手で掴ませても、繋がる感覚を作った後、腕を気のライン(人体構造上最も効率よく力を伝えられるライン)に入れてしまえば技をかける事ができます。

 

さて、その繋がる感覚ですが、稽古をしていても、最初のうちはなかなか実感を得られないと思います。そこで簡単な一人稽古として、杖で壁と繋がるという稽古を紹介します。

 

繋がる感覚の稽古

 

 

①杖を壁に接触させて軽く押す。この時、腕は縮めずに下腹(丹田)で押す。

  背骨を真っすぐ立てておく事。

②壁の抵抗が丹田に流れる位置=丹田から杖を通して壁に力が伝わる位置を探り、

 その位置を数秒キープ

③何度か繰り返して感覚を覚えたら、杖の持つ位置か立つ位置を変えて同じことを行う。

 (同じ位置で繰り返すと、感覚を研ぎ荒ませることなく機械的にやってしまうため。)

 

杖がない場合は、手の平でも構いません。ただ杖を使うとより感覚が磨かるような気がします。

 

 

 

3. 交わり

脱力の項目で述べましたが、一見関係のない分野の考え方や技術が、自分が取り組んでいる事に活かせることが多々あります。そして、その取り入れる考えかや技術の巧拙は関係ありません。

 

往々にして、人は自分より下と見ている人や、異なる考え方の人の意見を参考にしなかったり、反発したりすることがありますが、常に謙虚な気持ちで、肩の力を抜いて脱力して生きたいものです。結局はその方が自分の向上に繋がると思います。

皮膚感覚の技術 & 勝ちてしかる後に戦いを求む

 1. 皮膚感覚の技術

骨の技術(物理学を活用し最も力が入る形、相手は力が入らない形を取らせる技など)と皮膚の技術(生理学を利用し相手に力を入らせなくする技法)の次は、皮膚感覚の技術と呼ばれる技術を習得するための稽古をします。(と言いつつ、道場では全ての技術を並行して稽古したりしているので上下の垣根があまりありません。)

 

さて、この皮膚感覚の技術は、うまく決まると相手は力を全く感じることなくフワッと倒れたり崩れたりします。合気道で一見八百長に見える動きには、この技術が使われている事があります。

 

 

2. 繊細な技術

皮膚感覚の技術は、身に着けるまで苦労しました。骨の技術や皮膚の技術が上手くできた時は「この感覚か!」という実感がありましたが、皮膚感覚の技術はできているのかいないのか、その実感を得る事にすら時間を要しました。

 

なぜかというと、皮膚の技術では、しっかりと接触している感覚が肝となりますが、皮膚感覚の技術は非常に繊細なタッチが肝となります。「当たらない、だけど、触れている」という絶妙な感覚が要求されるのです。

 

しかもその繊細さを、手先や腕の動きで求めてはいけません。

 

手先や腕の動きで行おうとすると、相手に感知されるので、先に述べた「相手は力を全く感じることなくフワッと倒れたり崩れたり」 という状態にならないのです。

 

ではどうすればよいか?骨の技術と皮膚の技術を組み合わせる必要があります。

過去の記事、接触点を中心にして舞うの、小手返しは小手先で行わないがまさにこの動きです。まずは骨の技術で学んだ最も力が入る骨格構造を維持することが肝要です。そして相手には力が入らない状態を強いる…。かなり難易度が高い技です。

 

 

3. やはりDont think feel

皮膚感覚の技術は一人稽古(後日紹介する、タンジンレンケイと触れない杖回し)で感覚は養えたのですが、人相手に使おうとするとどうしてもうまくいきませんでした。

 

稽古してみるとわかるのですが、皮膚感覚を感じるには高い集中力を要します。しかし、技をかける対象は自由に動き回るし、場合によっては抵抗してくるのです。

それ故に皮膚感覚の技術を使う事だけに集中できず苦労しました。

 

これを解決する手段は、逆説的なのですが、皮膚感覚だけに集中するのです。相手を捉えた後は皮膚感覚だけに集中します。捉えておけば後で何をされようが頭を使わず感覚で対処できます。Dont think feelですね。

 

相手の腕に皮膚感覚をかけておけば、たとえ蹴りを繰り出されても容易に崩すことができます。皮膚感覚とはその名の通り、感覚の技術。感覚で捉える事が重要です。

 

 

4. 勝速日(かつはやひ)

相手を捉えるという事で、皮膚感覚の技術から少し話がそれますが、合気道の概念、技術の一つである、勝速日(かつはやひ)を紹介いたします。これは、相手の全てを間合いに入ってくる前に捉えておく技術です。

 

 

“勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝ちを求む”

(勝つ者は勝利した状態を得た後に戦いを始め、敗ける者はとりあえず戦いを始めてから勝利を求める)と孫子も言っているように、先に勝利しておけば、戦いが始まった直後に勝利できます。相手が攻撃してきた後に反応して、何かしようとするのは愚の骨頂です。

 

勝速日は上位技術(空間感覚、心法)に含まれますが、4級、3級の正面打ちや正面突きの稽古の際もしっかり行うようにします。昇級、昇段してから改めて意識するというやり方では、妙な癖や先入観がついてしまうからです。癖や先入観はなかなか修正が難しいですからね。

 

 

おまけ:皮膚感覚の技術ができているか否か確認方法

相手の手の平に指先をつけた後、相手に手をランダムに動かしてもらいます。多くの人はついていけないと思いますが、皮膚感覚の技術を使えば、ついていくことができます。自分が目を閉じ、相手がその場から動きながら手を動かしたとしてもピッタリとついていくことができます。

IAM護身術世界進出?

1. 来訪者

一月前の話になりますが、シンガポールから橋本先生の個人稽古を受ける為、来日してくださった方がおられたようです。先生のHPFacebookによると、、「それに比べると技術の質も、理論の質も次元が違う。個人指導の授業料が安すぎる」大変満足し、「それに比べると技術の質も、理論の質も次元が違う。個人指導の授業料が安すぎる」技術の質も、理論の質も次元が違う。個人指導の授業料が安すぎるて下さったようで、「技術の質も、理論の質も次元が違う。個人指導の授業料が安すぎる」とまで言ってくれたとか。

 

そして先日火曜日の夜の稽古にもある武道の黒帯の方が体験に来られていたのですが、IAM護身術の技術に感銘を受けて頂きました。

 

私もIAM護身術(井口合気流護身術)の神髄を伝えられるレベルまで技を身につけていきたいものです。この理論と技術が継承されていくことを強く望みます。

 

 

 

2. こだわらない

さて、予告では皮膚感覚の技術の話をする予定でしたが、昨夜の稽古は中身が凄まじく濃く、気の疎密を感じて疎な位置に入る動き、繋がる感覚の応用(3つの丹田全てで繋がる)、気の上位概念などを試すことができ、自分自身非常に驚きました。そして、なぜ短期間で上達できたのかを記録しておきたいので、簡潔にそれらを紹介します。

 

合気道で大事なことは「こだわらない事」です。完全なる無視、透明な自分になる事と言ってもいいでしょう。前回予告は忘れましょう。

 

 

3. 稽古以外の上達方法

急に技の質が向上できた理由は主に3つあります。

一つ目は先生にお借りした、近藤孝洋著「極意の解明」。この本に書かれた内容を意識して日常生活で何気ない稽古をしていたら技の質が向上していました。

 

具体的には、相手が蹴ってくる瞬間の気の疎密が以前より明確に感じる事ができ完全に虚を突けたり、相手と繋がる感覚を得た後、背骨と脊柱起立筋肉を微調整することによって感覚をさらに強化できたり、ある概念を使用して感知できない当身を繰り出したりすることができました。

 

相手は門下生かつ、場が慣れ親しんだ道場なので、余裕をもって試せたというのも一因でしょう。これを自然体でこなせるようになりたいものです。

 

なんにせよ、読むべき時に出会った良書というのは自らを高めてくれるものです。

然るべき時に然るべき書に巡り合えるかどうかは運ですけどね。

 

 

 

二つ目はヨガです。

最近、オーバーワーク気味の生活を送っています。そのデスクワークで凝り固まった肩、腰をほぐすべく、ヨガを朝晩やっていました。ヨガは普通にやるだけでも、ストレッチや体幹トレーニングの効果が得られますが、私は気を流す稽古を同時にしていました。

 

どういう事かといいますと、ポーズを維持している間、中丹田、下丹田から気を流しつづけていたのです。やってみるとヨガの各ポーズは本当に気を流しやすい姿勢になっていることが分かります。これが技の質向上に繋がったと確信しています。

 

一例として、ダウンドックのポーズでは下記のポイントを意識して行っていました。

中丹田から腕へ流れる気で体を支えるイメージ。腕の筋肉は意識しない。

②下丹田から脚へ気を流す。

③手のひらを前方、足の裏を後方へ滑らし、大地を引き裂く方向へ皮を取る

 (腕や脚の筋肉に力は込めないが、手の平と足の裏で強烈に皮取りを行う。)

 

その他あらゆるポーズで合気の稽古が可能なので、合気道をやっている方は是非お試しあれ。機会があれば少しずつ紹介していきたいと思います。

 

 

 

三つめはハードワークに対する考え方の変換です。

最近、ストレスフルで忙しい日々を送っています。部署によって様々な価値観があり、それらが入り混じり、ぶつかり、妥協し…と、どこにでもある会社生活ですが、最近は特にイライラすることが多々ありました。

 

これらを全て真正面から受けとると疲れ果てるので、合気の精神で受け流したり、ぶつからなかったり、物事は常に二面性を持つもの、長所と短所は表裏一体、と考えて社会人生活を送っていました。

 

最近はこれを発展させ、もう一人の自分が違う場所から自分を見ているイメージで働いたりしていました。実はこれ、「極意の解明」に書かれている、自分自身に加えて、違う角度にいるもう一人の自分と二人で敵を観る事により、敵の弱いところ、疎なところが分かるようになるという妙法でした。仕事中に武道の稽古をしていたのです。

 

なお、物多面的に捉えて考え出すと、自分らしさがなくなって腑抜けたり、面白みのない人間になったりするのでは?と思われがちですが、古来より悟りの境地とは自我を捨てる事、そしてユーモアは意外なものの見方から産まれます。心配無用です。

 

(昔良く聴いていたMr. ChildrenInnocent Worldに”様々な角度から物事を見ていたら自分を見失ってた”なんてフレーズがありましたが、見失なわず超越しましょう!)

 

 

 

4. 最後に -気-

やたら”気”という単語がでてきてオカルトっぽくなりましたが、”気”はボクシング等の格闘技や他の武道でも知らず知らずに使っている方が多数おられると思われます。

 

ここでは、目に写した筋肉や骨格の極微妙な動きを感知した結果、感じる何かだと思っていただければと思います。人によっては目に写した動きを触覚で感じる(いわゆる共感覚)方もおられるかと思います。

 

存在有無の議論は端に置いておいて、一つだけ確実に言える事は、気の存在を意識して動く事で動きに極僅かな変化がもたらされるという事です。そして、その僅かな変化が技の質を変えます。

 

本当は文章では伝えきれずもどかしいところがありますね。

いつか直接IAM護身術の技術をお伝えできればと思います。

 

ぶつからず、されど徹底的に

前回に続いて皮膚の技術の説明です。今回は皮取りの稽古方法を紹介します。


1. 皮膚の技術

皮膚の技術の基礎である、皮取りは、相手に力が正常に出せなくする技術です。この技を使う際は、相手の〇〇を剥がす様に皮をとりますが、この技術を使う際も例にもれず、「相手とぶつからない」事が肝です。

 

相手が逆らってくると、つい、その力とぶつかる方向に力を加えたくなるのですが、無視します。皮を取ったらその方向に皮を取り続けます。皮取りを使った技で重要なことは、一度捉えたら捉え続ける事です。慣れないうちは、皮を取った後、技を出す際に皮取りが抜けてしまう事があります。

 

皮取りが抜けてしまわないよう身体に皮取りを染み込ませる稽古、さらには皮取りをいつでも出せるようにするための稽古が、下記になります。
黄色い丸が皮取りを仕掛けている場所です。

f:id:dice-k-13110:20170903224044j:plain


なお皮取りは様々な方向で可能、かつ動き方も下記パターンに限りませんが
どんな動きをするにせよ、最も大事なことは、一度皮を取ったら別の場所で皮を取るまで決して緩めず取り続ける事です。


皮取りの詳細は非公開とし、次回は、皮膚感覚の技術に関して書かせていただきます。

こだわりを捨てよ

1. 皮膚の技術

今回から皮膚の技術に関して触れていきます。

皮膚の技術基礎はやり方さえ聞けば、誰でもある水準のレベルで出来てしまう技なのですが、咄嗟の時(昇給審査では正面打ち)、にそうそうできるものではありません。

 

そこで稽古に取り組むわけですが、稽古内容のパッと見は骨の技術の時と変わりません。腕をとって押し合ったり、体の転換をしたります。変わっているのは意識する内容と本当に微妙な動きです。

 

一見全く同じことをしているようで、微妙に高度な稽古。この流れは初段、二段になっても続きます。また、あえて下位技術の動きをすることもあるのですが、上位技術を学んだあとに行うと新たな発見があります。

 

一方向から見ると同じところをぐるぐる回り続け成長していないように見えても、三次元的にみると少し上昇している(下図)。そしてある日突然グイッ一段上の段階に成長します。これは仕事や学問でも言える事ですね。

f:id:dice-k-13110:20170831002750j:plain

Fig.1 螺旋の成長

この急激な成長を感じる爽快感、充実感も稽古のモチベーションなのかもしれません。

 


2. 皮取り
さて皮膚の技術に戻ります。皮膚の技術の一つである「皮取り」と言われる技を使用された相手は正常な力が出せなくなります。正確には、出すべき力の方向が見つからず混乱するといった方が良いかもしれません。

 

それ故に一種の金縛り状態を作ることもできます。倒された状態で皮取りされると、力を入れる方向が見当たらなくなって立ち上がれなくなるのですが、傍から見ると八百長にしか見えません。「なんで早く立ち上がらない?」と。

 

具体的なやり方の公開は控えて、濁して書かせて頂きますが、相手の腕を皮取りを使って取るときは、力がぶつからないよう、気の流れを斬るように相手の腕をとります。自然にできるよう、よく一人稽古をしていたので概要を紹介いたします。(詳細は後日簡単な図も付けて紹介します。)

 

皮取りの稽古
①自分の片腕の皮を逆側の手でつかむと同時に取る
②手の平を壁に付けて、壁の皮を取る=自分の手の平の皮を取られるように動く。
 皮を取っている圧力を維持したまま体を移動させ、維持が難しい姿勢になってきたら     別の場所で皮を取る(脚でも肩でもどこでも皮取りは可能!)

 

 

3.成長のために

皮膚の技術はさほど習得に苦労はしませんでしたが、次の段階である皮膚感覚の技術習得にはかなり時間を要しました。

 

これは皮膚の技術と皮膚感覚の技術は方向性が異なる技術であり、皮膚感覚の技術を習得する稽古では皮取りの動きを捨てる必要があった事、しかし皮取りの動きが神経回路に組み込まれていた事、皮取りの威力が強力であるが故に深層心理下で皮取りに固執していた事が理由と考えられます。

 

一段階上に進むためにはこだわりを捨てる必要があります。

 


「やりやすいからこの方法を続ける」というやり方では頭打ちになります。昨今のAI技術の成長は目覚ましく、30年後には今ある仕事の40%は人間がやらなくて済むといわれています。このように、「今のやり方」というものはいつか通用しなくなる時がやってきます。


自らの五感を使って体感、実感し、「本物である」と感じたならば、古い身体を脱ぎ捨てる必要があるのです。

円を描き続けて留まるか、上昇するための螺旋を描くか。最も大事なことは、こだわりを捨てる事と私は思います。

骨の技術は心地よい

1. 稽古とは
「なんでやってるの?」「一体何を目指してるの?」プロでもないのに何かに熱中して打ち込んでいる人は分野を問わず、こういう事を言われることが多々あろうかと思います。その問いの答えはシンプルで、「楽しいから」「気持ちいいから」ではないでしょうか?

 

IAM護身術(井口合気流護身術)の鍛錬方法は日常生活の動きでも可能なので、空き時間があればやってしまいますが、これも「より高みへ!」という意識ではなく、「やってると気持ちいいからつい」やっています。

 

なお、基本的に辛いとか苦しいとか思う稽古は不要だと思います。

 

かの有名なドラゴンボールの主人公である悟空は、自分より強い敵(セル)と戦う前に行った修行の際、「ムリに鍛えても辛いだけ、そんなのは修行じゃない」と言い放ちました。


ステマでも「よいトレーニングとはやった後で活力が出てくるトレーニングだ」と伺いました。私もその通りだと思います。

 

さて、今回は私が骨の技術(人体構造の最適な使い方、物理学を利用した技術)を習得するまでに行った鍛錬方法に関して紹介いたします。骨の技術は正しくできると身体の中に力が流れる感覚があり、非常に心地良いものです。故に無心でやっていた記憶があります。

 

稽古内容としては、腕押し、体の転換、甩手(スワイショウ)、簡易版天の鳥船の行、等がありますが、特に時間を割いていたのは、当身(あてみ)、杖(じょう)、立禅(りつぜん)の三つでした。なお当身とは打撃と思っていただければ概ね大丈夫です。

 


2.当身
IAM護身術の道場は、おそらく他の武道の道場よりゆる~い雰囲気だと思います。稽古が雑談で中断されてそのまま盛り上がってしまう事もザラにあります。そんな時はサンドバックに当身を加えたり、杖を振りながら聞いたり参加したりしていました。

 

サンドバックへの当身と聞くと、ハードトレーニングのようですが、これが心地良いのです。基本の当身には、陽の一式~四式、陰の一式~四式までありますが、いずれも重心移動のエネルギーを伝えるものです。

 

エネルギーが上手く伝達されると身体に負荷はなく、むしろ心地よい感覚があります。そしてサンドバックは豪快に揺れます。この爽快感を楽しんでいました。(当身の方法は、リンク先の記事を参照ください。

陽の技術

陰の技術

 

サンドバックを気軽に叩ける環境におられる方は少ないと思います。私も道場以外では叩けなかったので、家ではひたすら杖を振っていました。

 


3.杖のすすめ
杖を振るだけで非常に多くの事が学べます。様々な振り方がありますが、ここでは骨の技術に関連が強い振り方を紹介します。いずれの振り方でも「身体の中に流れるエネルギー」を感じる事が重要です。人によっては”気”と呼ぶこともあると思いますが、この気が流れる感覚が非常に気持ち良いのです。

 

「一般人に気なんぞわかるか!」と叱られそうなのですが、やってみると案外簡単に感じられるものです。単に力学的な力を体が感知しているだけなのか、気というものが存在しているのかという議論は横に置いておいて、ただ心地良くエネルギーの流れを感じる事が大事です。


杖の振り方
①体の前で無限大(∞)の字を描くように振る
 腕で振ってはいけません。へその下あたりの重心(下丹田)を動かしてその動きを杖に伝えて振ります(作図は難しかったので諦めました…。)

 

②地面につけた杖を中心にして陰の当身
 (1)腰を後に動かすと同時に杖を体から離れる方向に押し出す(Fig.1)
 (2)体を右へ動かすと同時に杖を左へ倒す
 (3)体を左へ動かすと同時に杖を右へ倒す
 (4)体を前へ動かすと同時に杖を体に引き寄せる
体が移動するエネルギーを杖に伝える感覚であり、腕力は使いません。

f:id:dice-k-13110:20170827172301j:plain

③陽の一式
 体を前方に運びそのエネルギーを杖に伝えて押し出す。決して腕で突かない。

 

そしてエネルギーの流れに対する感受性を磨くのに最適なのが、立禅です。

 

4. 立禅
その名の通り、立って禅をします。ひたすら立つだけですが、いくつか意識すべき点があります。しかし棒人間では説明が難しくなってきたので、先人たちの力を借りる事にします。Google先生に聞いてみましょう!

 

というより骨の技術の段階では一般的に言われている立禅で充分と思われます。太極拳でいわれている下記項目に意識して5~10分くらいやるだけで、段々身体感覚が鋭敏になっていくはずです。まずは骨盤を立てて背骨を真っすぐにする尾閭中正(びろちゅうせい)に注力するのがおススメ。

 

なお、私が入門した時は門下生が少なく、初段審査を控えた方の稽古が主だったので、立禅時に目の使い方(空間感覚の技術)も教わりました。これはさらなる上位技術の稽古にもつながっており、公開が憚られるので割愛します。(体験に訪れた際、全員がこの目付をしていたので、「とんでもない所にきてしまった!」と思ったのもよい思い出。)

 

立禅で気を付ける事
虚領頂勁(きょれいちょうけい)頭は天上から紐で吊るされてるよう真っ直ぐに。
沈肩墜肘(ちんけんついちゅう)肩は強張らせず下に落とす
含胸抜背(がんきょうばっぱい)胸の前で球を抱えるイメージで胸をすぼめ、肩甲骨を開く。
松腰松胯(しょうようしょうこう)膝とつま先を同じ方向へ向け、股関節は柔らかく。
尾閭中正(びろちゅうせい)尾骨を内側に巻き込み骨盤を立たせて背骨を真っ直ぐに
立身中正(りっしんちゅうせい)天から地へ柱が身体を貫くように立つ

温故知新  -体力と才能の限界-

二段の免状を頂いた際、「今ならこの本に書かれていることも意味がわかるだろう」と、ある本を先生に貸して頂きました。ザッと通して読んだ感想は「この本には奥義が書かれている!!」でした。が、これを一年前にお借りしたとしたら「…う、胡散くせぇ…!!」だったと思います。
 
分かる人には分かる。分かるようになった理由は、稽古で感覚を鋭敏にし(準備)、先生を通じて奥義を受け(体験)、技の概要を口頭で説明頂き(理解)、繰り返し稽古をしてきた(浸透)からだと思います。
 
入門してから色々と学んできた訳ですが、良い機会なので井口流合気護身術(IAM護身術)で習ってきた技と苦労した点、どんな稽古をしてきたのかを整理してみる事にしました。
 
 
そもそもなぜIAM護身術を選んだのか?
a) 身体能力の限界
ボクシングやキックボクシングのジムに通った結果、「身体能力に優れた相手には勝てない」と痛感しました。トレーニングも身体能力の向上に繋がる内容が主、技術伝承の比率が低く、さらには技術を使うためには卓越した身体能力と反射神経が必要でした。
 
これは40歳にもなれば、入門間もない若い人にすら勝てないだろうなぁ、後ほんの数年で使えなくなってしまうものを苦労して学ぶのは何か違うなぁ…と感じ、辞めてしまいました。
 
また、仮に若い身体を維持できたとしても、ボクシングを使ってガチムチの外国人に勝てるか?と言われると全く自身がありません。
 
 
b) 才能の限界
その後、システマ体験会に行って、「これはすごい!」と感じたものの、訪れた道場では、身体で覚える事に重きが置かれており、技術や理論の説明が最小限でした。これは凡人が体得するには凄まじい時間と努力が必要そうだなぁと思い、二の足を踏んでしまいました。
 
最終的に、古武道なら何かあるかもしれない!と色々調べてみると、身体能力と才能に依存せず習得でき、さらに理論建てて技術の説明をしてくれると謳っているIAM護身術の門を叩くこととなったのです。(ブログの最後にリンク貼っておきます。)
 
ちなみにジムや道場を探していたのは、格闘技が好きという事に加え、海外旅行の際や、歳を取ったあとも身を守れるようになっておきたいと考えたからでした。
 
 
2. 体験会から即入門
無料体験初日、ボクシング経験ありという事で、先生にパンチを打つことになったのですが、先生が完全に視界から消え去って微妙な動きだけですっ転がすされたり、拳を押さえられただけで身動き取れなくなったり、すべての攻撃を激しく動かずに捌かれたりと不可思議な体験をしました。(なお先生は片目が見えません。)
 
これだけでも大きな感銘を受けたのですが、入門の決め手となったのは、小柄な女性と押し合いをしても全く歯が立たず、壁にたたきつけられた事でした。二度三度繰り返すと、力が上手く入らない状態にさせられていることに気が付き、ここには術理がある!と分かりました。
 
さらに、繰り返しになりますが、技の伝承方法が「やってるうちに分かるようになる!繰り返せ!」ではなく、「わかりやすく噛み砕いた理論を説明する」という点が完璧でした。
 
少々長くなってしまったので本日はここで筆をおき、次回は4級(骨の技術と皮膚の技術)をどうやって学んできたかについて書きます。(公開できる範囲でですが。)
 

最後に、
橋本先生のホームページ中の「IAM護身術とは」へ飛ぶリンクを貼っておきます。
興味を持たれましたら是非一読ください。